こんにちは!「40代からバス運転手になった男の備忘録」をご覧いただき、ありがとうございます。このブログでは、営業職からバス運転士に転職した私が、現場でのリアルな経験をもとに、これからバス業界を目指す方や、日ごろバスを利用されている方に役立つ情報を発信しています。
今回は、「バスの乗り方は地域によって違う」という、ちょっとした旅先や転居先で戸惑いやすいトピックを解説します。実際に私も、お客様の混乱や誤乗車を目の当たりにしますし、自身も旅行先で戸惑います。この記事では、「前乗り・後降り(先払い)」と「後乗り・前降り(後払い)」の違い、それぞれのメリット・注意点、そして全国各地のバスの乗り方の傾向について詳しくご紹介します。
【基本】バスの乗り方は大きく2種類
日本国内の路線バスには、大きく分けて次の2つの乗車方式があります。
前乗り・後降り(先払い)
仕組み
- 乗降口:前方のドア
- 運賃支払い:乗車時に現金を運賃箱またはICカードをタッチして支払い(先払い)
- 運賃制度:均一料金制(乗車距離に関係なく同じ運賃)
この方式は、都営バス、横浜市営バス、名古屋市営バス、京都市営バスなど市営バスに多く見られます。
乗車の流れ
- 前のドアから乗車
- 運賃箱に現金またはICカードをタッチして支払い
- 後ろのドアからそのまま降車
ICカード(Suica、PASMO、ICOCAなど)を使うとスムーズで便利ですね。
メリット
- スムーズな動線の確保:乗客が前乗りすることで、車内での移動がスムーズになり、混雑が緩和されます。
- 降車時間の短縮:降車時に運賃を支払う必要がないため、降車時間が短縮され、バスの運行効率が向上します。
- 乗客同士の混雑軽減:乗車時に運賃を払うことで、車内での混雑をある程度軽減できます。
- 運転士の業務効率化:運賃の徴収を乗車時に済ませることで、運転士の業務が効率化されます。
後乗り・前降り(後払い)
仕組み
- 乗車口:後方のドア
- 運賃支払い:降車時に現金を運賃箱またはICカードをタッチして支払い(後払い)
- 運賃制度:区間制運賃(距離に応じて変動)
この方式は、地方都市や郊外路線、山間部など、長距離移動が多い地域に多く見られます。静鉄バス、名鉄バス、広電バス、西鉄バスなど。
乗車の流れ
- 後ろのドアから乗車
- 整理券を取る、またはICカードを乗車時にタッチ
- 車内に表示される運賃表を確認
- 前方のドアへ移動し、運賃箱に現金またはICカードでタッチして支払い、前ドアから降車
注意点として、運賃箱はお釣りが出ません!定額制ではないので、両替機で事前に小銭を準備する必要があります。
特に500円玉をそのまま投入してしまう方、けっこう多いんです…。
【実体験】こんな勘違いがよく起きる!
私が実際に運転していてよくあるケースをご紹介します。
- 東京で慣れている方が、後乗りバスで乗車時にICカードでタッチ→そのまま降りようとする
→私「お客さん、お支払いまだですよ!」と呼び止めます。 - 地方で乗っていた方が、前乗りバスに乗り、整理券を取ろうとする
→お客「整理券がないですよ」と困惑。 - 均一料金だと思って、先払いしようとする旅行者
→後乗りは区間制運賃で後払いが多いです。 - 均一料金だと思って、運賃箱に500円を投入
→区間制運賃の場合はお釣りが出ません。両替機で事前に小銭を準備する必要があります。
このように、地域ごとの「慣れ」が思わぬトラブルを招くこともあります。
【エリア別】バス乗り方の傾向まとめ
地域 | 主な方式 | 特徴・例 |
---|---|---|
東京 | 前乗り・後降り・先払い | 都営バス。IC普及率高め。 |
神奈川 | 前乗り・後降り・先払い 後乗り・前降り・後払い | 横浜市営バス。 神奈川中央交通。 |
大阪 | 後乗り・前降り・後払い | 大阪シティバス。 |
静岡 | 後乗り・前降り・後払い | 静鉄バス。 |
名古屋 | 前乗り・後降り・先払い 後乗り・前降り・後払い | 名古屋市営バス。 名鉄バス。 |
京都 | 前乗り・後降り・先払い | 京都市営バス。 |
広島 | 後乗り・前降り・後払い | 広電バス。 |
福岡 | 後乗り・前降り・後払い | 西鉄バス。 |
旅行や出張で地方に行くときは、「今、自分がどの乗車方式の地域にいるのか」を意識するだけで、かなりスムーズになりますよ。
【バス運転士の視点】案内の工夫や悩み
私たち運転士も、こうした地域差を考慮して、丁寧な案内を心掛けています。
- 観光地や乗換駅近くでは、マイク案内を追加
- ICカードのエラー時には、丁寧に説明して今後の利用に活かしてもらう
- 「運賃は後払いです」「乗車時にICカードにタッチしてください」「整理券をお取りください」など、マイクでアナウンスをする
それでも、初めてバスに乗る観光客や外国人のお客様は迷いやすいので、今後はより分かりやすい「乗車ガイド」や案内アプリの整備、ルールの統一等が求められると感じています。
【まとめ】乗車方式の違いを知って、快適なバス移動を!
- バスの乗り方は「地域によって違う」のが当たり前
- 都市部:前乗り・後降り(先払い)
- 地方部:後乗り・前降り(後払い)
- 利用前には、乗り場の案内表示やバス車内の案内をよく見ましょう!
ちょっとした知識ですが、これを知っているだけで、慣れない土地でも安心してバスを利用できます。