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【2025年版】路線バスのキャッシュレス化はどこまで進んでいる?現役運転士が見た現場のリアルと今後の課題

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はじめに

「バスでの両替、けっこう時間かかるなぁ」と思ったことありませんか?実は、運転士にとってもこれは大きな悩みの一つ。両替やチャージの対応が重なると、定時運行に支障をきたすこともあります。この記事では、現役バス運転士の視点から、バス業界で進むキャッシュレス化の現状、課題、そして今後の展望について徹底解説します。


路線バスにおけるキャッシュレス決済の現状

国土交通省の2022年のデータによれば、日本の主要バス事業者の92.3%がキャッシュレス決済を導入済み。SuicaやPASMOといった交通系ICカードを中心に、VisaタッチやPayPayなど、多様な決済手段が普及しつつあります。実際、キャッシュレス利用率は88.4%にものぼり、都市部ではすでに主流になっていると言えるでしょう。

とはいえ、全国レベルで見ると、現金利用者はまだ約10%存在します。特に高齢者や観光客の中には、ICカードを持っていない、もしくは使い方が分からないという人も多く、完全なキャッシュレス化には課題も残されています。

「令和5年度交通の動向」及び「令和6年度交通施策」


現役運転士が感じる「現金決済」の現場のリアル

現場でバスを運転していて感じるのは、「両替やチャージでの時間ロス」が本当に大きいということ。たとえば、片道の運行で3人が降車時にそれぞれ1000円札で両替やチャージをしていたら、それだけで5分程度遅れることも珍しくありません。

お客さんとしては「私1人ぐらい」と思われるかもしれないですが、路線によっては片道20〜30分の運行に大きな影響を与えるケースもあります。お客様対応に追われて運転に集中できないリスクもあり、安全運行の観点からも深刻な問題です。


政府と業界の取り組み:完全キャッシュレスバスの実証実験

国土交通省は2024年11月から、全国18事業者・29路線で「完全キャッシュレスバス」の実証実験をスタートしました。空港線や観光路線、大学・企業輸送などで、現金を一切受け付けないバスが運行されています。

この実験では、交通系ICカード、クレジットカードのタッチ決済、QRコード決済などが利用可能で、利用者の利便性が大きく向上。また、事業者によっては運転士の負担軽減やダイヤの正確性向上といった成果も報告されています。


バスキャッシュレス化のメリット

事業者にとってのメリット

  • 運営コストの削減:運賃箱のメンテナンスや現金管理コストの削減。
  • 運行の効率化:スムーズな乗降で定時運行がしやすくなる。
  • データ活用:乗降データ(ODデータ)を活用して路線改善が可能に。

運転士にとってのメリット

  • 業務の簡素化:現金のやり取りが不要で接客ストレスが軽減。
  • 安全性の向上:現金を持たないため強盗などのリスク低減。

乗客にとってのメリット

  • 利便性向上:小銭不要でスムーズな乗車が可能。
  • 決済手段の多様化:スマホひとつでバスに乗れる環境が整いつつある。

課題とその解決策

1. 高齢者・観光客などへの対応

現金しか使えない、キャッシュレスが苦手という人への配慮は欠かせません。対策としては:

  • チャージ式のプリペイドカード販売
  • 窓口や駅での対面サポート
  • 多言語対応マニュアルの整備

2. システムトラブルへの備え

システム障害が発生した際に備え、

  • オフライン決済機能の強化
  • 万が一のための乗車記録手段の準備 が求められます。

3. 利用者への啓発と情報提供

長年現金派だった方々に対しては、

  • 利用方法の周知
  • SNSや動画での活用法紹介 といった広報活動が重要です。

今後の展望と運転士としての期待

完全キャッシュレス化は、一気に実現するものではありません。しかし、段階的にでも現金を使う人が減っていけば、運転士としての負担は確実に軽くなります。特にピーク時間帯におけるストレスや遅延リスクが減るのは、現場では大きな安心材料です。

将来的には、キャッシュレス化がMaaS(Mobility as a Service)と連携し、バス以外の交通機関とのスムーズな移動が可能になることも期待されます。


まとめ

路線バスのキャッシュレス化は、運転士・事業者・利用者の全てにとってメリットの大きい取り組みです。ただし、課題がゼロなわけではなく、特に利用者の多様性への配慮は今後も重要なテーマです。

現場に立つ運転士の立場から言えるのは、キャッシュレス化は「安全・安心・スムーズな運行」を実現する大きな一歩だということ。今後さらに多くの路線でキャッシュレス対応が進むことを願いつつ、自分自身も丁寧な接客と柔軟な対応を心がけたいと思います。


Q&A

Q. 全てのバスがキャッシュレス化されるのはいつ頃?

A. 完全なキャッシュレス化には時間がかかると見られていますが、政府は2025年までにキャッシュレス比率を40%以上に引き上げる目標を掲げており、今後数年で急速に進む可能性があります。

Q. キャッシュレス決済が使えない時はどうする?

A. 多くのバスでは依然として現金対応も継続しています。完全キャッシュレス路線では、事前に利用方法を確認することが推奨されます。


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