バス運転手は「安全運転」が何より重要な職業であるため、健康診断の合否が採用を左右します。特に視力や聴力、重篤な持病、高血圧・糖尿病などの生活習慣病は、基準を満たさないと不採用となる可能性があります。本記事では、選考中や内定後の健康診断の違い、運転手に多い職業病や健康管理の重要性、健康診断で不採用になる主な基準とその対策を、専門家視点で解説します。
バス運転手 健康診断で不採用になる基準と理由
- 視力・聴力不足:両眼視力0.8(片眼0.5)未満や聴力異常は、不採用要因になります。自覚があればあらかじめ眼鏡や補聴器で矯正し、受診前に度数を確認しましょう。
- 持病・薬の服用歴:てんかん発作、重い心疾患など運転中に急変リスクのある病気は採用基準に達しないことがあります。また、鎮痛剤や睡眠薬など眠気や注意力低下を招く薬を服用中の場合も評価対象です。
- 高血圧・糖尿病など生活習慣病:血圧や血糖値が極端に高いと不合格になる恐れがあります。たとえば収縮期血圧が180mmHg以上など安全運転に支障をきたす値は基準外です。日々の減塩・運動などでコントロールしましょう。
- SAS(睡眠時無呼吸症候群):長時間労働や肥満で起こりやすいSASは、重症度が高い場合、検査で指摘されれば治療を指示されることがあります。認知症や不注意運転のリスクがあるため、CPAP療法等で治療・改善する必要があります。
健康診断でチェックされる項目
バス運転手の健康診断には、問診や身長・体重測定、視力・聴力検査、胸部X線検査、血圧測定、尿検査、血液検査(血糖・脂質など)、安静時心電図など11項目が含まれます。通常の健康診断に加え、運転手特有のリスク(視力や心疾患など)も重視されます。これらの項目で基準を大きく下回る数値が出た場合、再検査や治療が指導され、極端な異常値は採用判断に影響します。
項目 | 合格基準 | 対策例 |
---|---|---|
視力 | 両眼0.8以上 (片眼0.5以上) | 遠視・近視はメガネ・コンタクトで矯正 |
血圧 | 最高140/90mmHg以下 | 減塩・有酸素運動・定期検診 |
SAS | 軽度~中等度まで | 生活習慣改善・CPAP治療など治療法 |
バス運転手 健康診断|選考中と内定後の違い
バス会社によっては採用試験の最後に健康診断が行われます。この選考中に行われる健康診断では、問題のある検査結果が出た場合は不採用となるリスクがあります。一方で、内定後や入社後に行われる健康診断(雇入時健診)は、健康管理のためのものと位置づけられており、採否には通常影響しません。
採用後の健康診断の頻度|年1回?半年に1回?
通常は年1回の定期健康診断が行われますが、深夜勤務に該当する運転手は半年に1回の受診が求められます。特に都市部の深夜路線や、観光バスなど不規則勤務の多い事業者では、年2回のケースも珍しくありません。

私たちのように22時〜翌5時に勤務がかかる職業は、半年に1回の健康チェックを受けることになります。健康を考えると少し安心ですね。

血圧、中性脂肪、コレステロール(特にLDL:悪玉)で再検査になる運転手は多いですね。私も毎回のようにLDLコレステロールで再検査になります。

再検査では「運動と食事に気をつけましょう」で経過観察が多く、極端に数値が悪い人は薬を処方されます。
バス運転手の職業病と健康管理の重要性
長時間の運転業務は身体に大きな負担をかけます。特に腰痛や肩こり、首の痛みはドライバーに多い職業病で、血流悪化が一因とされています。また、夜勤や不規則な生活で睡眠不足やSAS(睡眠時無呼吸症候群)のリスクが高まり、心疾患や事故につながる恐れもあります。そのため、日常的な生活習慣の改善が必要です。具体的には、こまめなストレッチ・運動や減塩・バランスの良い食事による血圧・血糖値管理が重要です(詳しくは健康診断対策記事へ)。健康診断は自身の健康状態を把握する機会でもあるため、再検査にならないよう日々の健康管理を心がけましょう。
私が実施している健康診断の再検査対策
- 毎日6000歩のウォーキング
- 菓子パン・カップ麺は極力控える
- キャベツやブロッコリーなど、コレステロール対策に良い野菜を意識して摂取
Q&A
Q1: 健康診断で不採用になることはある?
A: はい、選考中の健康診断で重大な数値の異常が見つかると不採用になることがあります。
Q2: 採用後に行われる健康診断で解雇になることは?
A: 採用後の健康診断では基本的に解雇になりません。入院が伴う治療が必要な場合は、一時的に乗務停止になることもありますが、治療・改善が確認されれば復帰可能です。
Q3: 高血圧や糖尿病があると採用されない?
A: 治療中で基準値内にコントロールできていれば問題ありませんが、収縮期血圧180mmHg以上や血糖値の極端な上昇など、安全な運転に支障があると判断される場合は不採用になります。医師の指導に従い、生活習慣改善や薬物療法で数値を下げることが大切です。
Q4: 持病や服薬中でもバス運転手になれる?
A: てんかんや重い心疾患のように運転中に発作・事故リスクがある持病がある場合、採用基準に達しない可能性があります。処方薬の種類によっては「眠気」など運転に影響する副作用も考慮されます。持病がある場合は事前に医師と相談し、安全運転に支障ない状態を維持しましょう。
Q5: 健康診断対策は?
A: 日頃からバランスの良い食事と適度な運動で健康状態を維持することが基本です。特に健康診断対策記事で紹介したようなヘルシーな間食に置き換えることで、血糖値やコレステロールの改善が期待できます。定期的なウォーキングや入浴で血流を促し、休憩時間にはストレッチを取り入れる習慣も有効です 。
【まとめ】バス運転手を目指すなら、健康診断対策をしよう
私たちの仕事は、何より安全運転が求められます。そのためには、心も体も健やかであることが不可欠。
だからこそ、健康診断はただの義務じゃなくて、自分を見つめ直す大切なタイミングやと思っています。
これからバス運転手を目指す方も健康管理を徹底しましょう!