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乗務日記:「オタ席」に子どもが一人で座ったときの話|親御さんに知ってほしいバスのマナーと安全

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こんにちは!路線バス運転士のだいきです。

今日のテーマは 「小さなお子さんのバス利用と安全」について。特に、「オタ席」と呼ばれる運転席のすぐ後ろに小さなお子さんが一人で座っていたときのエピソードを通して、親御さんに知っていただきたいことをお伝えします。


はじめに|バスには小さなお子さんもたくさん乗ってくるけど…

路線バスは地域の足として、赤ちゃんからお年寄りまで幅広い世代にご利用いただいています。
当然、小さなお子さん連れのご家族もたくさんいらっしゃいます。

そんな中、運転士としては時々「ヒヤッ」とする場面に出会います。
特に多いのが、「小さな子どもが一人で危険な席に座っている」ケースです。

今回は、実際の出来事を元に、安全とマナーについてご紹介します。


小さな子どもが「オタ席」に一人で座っていた話

ある日の午後。
とあるバス停から乗ってきた親子連れのうち、小さなお子さん(おそらく未就園児)が一人で「オタ席」にちょこんと座りました。

「オタ席」とは、運転席のすぐ後ろ、左側にある一人掛けの席のこと。
段差が高く、座面も高いため、小さなお子さんの足は床に届きません。
そのため、急ブレーキ時には大きく体が揺れてしまい、非常に危険です。

私は、子どもに優しく声をかけました。

「ここは子ども一人では座れんよ」

しかし、まだ小さいので意味がわからないのか反応なし。
そこで車内アナウンスで、

「こちらのお席は、小さなお子さま一人では座れません。保護者の方、ご確認をお願いします」

と声をかけたところ、少し離れた座席からようやく親御さんが来られました。
無言のまま、少し不満げな表情でそのまま一緒に座られましたが…。

こういう場面、実はよくあるんです。

でも、もしものことがあってからでは遅い。
だからこそ、親御さんに知っておいていただきたいことがあります。


子どもだけで座らせるリスクとは?

急ブレーキ時に危険

路線バスは車体が大きいため、そう簡単には止まれません。
でも、信号の変わり目での割り込みや、歩行者・自転車の飛び出しがあった場合には、どうしても強くブレーキを踏む必要があります。

そんなとき、小さなお子さんが座面の高い席に一人で座っていると、体が大きく浮いてしまったり、前のパイプに顔をぶつけたりする恐れがあります。

オタ席は特に注意が必要

オタ席は段差が高く、車両の揺れをダイレクトに感じやすい位置です。
多くのバス車内には「この席はお子様一人では座らないでください」といった注意書きがあるのもそのためです。


親御さんの座席の位置取りも大切

子どもから目を離さない位置に

バスの中では、お子さんのそばに座っていただくのが一番安全です。
「ちょっと後ろのほうが空いてるから」と子どもと離れて座ってしまうと、咄嗟のときに対応が遅れてしまいます。

「スマホを見ながら」は意外と危ない

スマホに夢中になっている間に、お子さんが席を移動していたり、立ち上がったりするケースもあります。
特に発車直後は車体が揺れやすく、転倒や事故につながることも。


乗り降りの際に気をつけたいポイント

バスが完全に止まるまでは動かない

降車時、「早く降りようね〜」と先に立たせる親御さんを見かけますが、これは非常に危険です。
バスが完全に停止して、ドアが開いてから動いてください。

ドア付近や段差にも注意

ドア付近には段差があり、特に小さな子どもは足元が不安定になります。
親御さんがしっかり手をつないであげてください。


周囲の人にも配慮を

他のお客様との距離感も大事

バスは公共の乗り物です。
お子さんが座席の上で立ち上がったり、後ろを向いて他の乗客を覗き込んだりすると、周囲の方に不快な思いをさせてしまうことがあります。

泣き出したときの対応

赤ちゃんや幼児が泣くのは当然のこと。
でも、可能であればやさしく声かけをしたり、音の出るおもちゃは控えたりといった配慮をいただけると助かります。


バス運転士から親御さんへのお願い

最後に、私たちバス運転士からのささやかなお願いです。

注意をしても怒らないでください

車内アナウンスや直接の声かけで注意をすることがありますが、それは子どもを守りたいからです。決して怒っているわけではありません。

子どもの安全は一緒に守っていきたい

安全で快適なバスの旅には、運転士と乗客が協力し合うことが大切です。
私たち運転士も、皆さんのご家族の安全を願って日々ハンドルを握っています。


おわりに

今回のような出来事は、バスを利用する多くのご家庭にとって他人事ではありません。
ちょっとした心がけで、事故は防げます。

これからも、子どもも大人も安心して乗れるバスを目指して、日々乗務してまいります。


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