降車時に見えた“まさかの顔”
ある日の乗務中、いつものようにバス停に停めて、最後のお客様が降りられるタイミングで「ありがとうございました〜」と声をかけました。
するとその瞬間、そのお客様のお腹のあたりから“ぴょこっ”と顔を出したのは…なんと猫!
一瞬フリーズしたあと、思わず二度見。
え?猫?今動いたよな?
しかも、飼い主さん(=お客さん)は全然動じる様子もなく、めちゃくちゃ愛想よく「ありがとうございました!!」と元気に返してくれはりました。
猫…まさかケージなし?カンガルーポケットで乗車
よく見ると、お客さんが着ていたのは前面に大きなポケットがついた、いわゆる“カンガルーパーカー”のような服。
そのポケットの中に、しっかり猫ちゃんが収まっていたわけです。
これまでケージ入りの犬や猫をバスに乗せるお客さんは何度も見てきました。
でもこういうスタイルは初めて。
見た目はすごく微笑ましいんですが、同時に「あれ?これルール的にどうなんやろ?」という疑問も…。
車内持ち込みルール的にはNG?運転士としての葛藤
基本的に、路線バスでは「他の乗客に迷惑をかけないこと」が大前提。
多くのバス会社では、ペットを車内に持ち込む場合はケージやバッグに入れ、顔が出ないようにすることがルールとして定められています。
この日の猫ちゃんは、車内ではおとなしく鳴くこともなく、他の乗客からの苦情もありませんでした。
だからこそ、運転中はまったく気づかず、降車の時に初めて発覚したんです。
ルール上は「アウト」かもしれん。
でも実際には何のトラブルもなかったし…こういうとき、運転士としてどこまで対応すべきか、ほんまに難しいと感じました。
猫好きとしては癒されたけど…
正直なところ、猫好きの自分としては癒された部分もあります。
ひょこっと顔を出した猫ちゃん、びっくりしたけど可愛かった…。
でも、個人的な感情と業務上の対応は分けないとあかんというのも事実。
次回こういうケースがあったら、ちゃんと会社のルールを確認しておかないとあかんなぁ、と反省しています。
まとめ:バス車内でのペット持ち込み、判断が難しいケースも
今回の出来事で改めて感じたのは、運転士の判断の難しさです。
一見なんの問題もなさそうに見えても、ルール的にはNGな場合もある。
逆に、ルールを杓子定規に当てはめすぎると、お客様との関係がギクシャクする可能性もある。
この「グレーゾーン」をどう扱うか。
マニュアルには書いてない、“現場の判断力”が試される瞬間やと思います。
乗務中は毎日が新しい出会いと発見の連続。
今日もまた、ひとつ“忘れられへんエピソード”が増えました。