生協の現場で働いていて強く感じたのは、組合員さんの“商品に対するこだわり”の深さ。
「ただ安ければいい」ではなく、「どう作られているか」「誰が作っているか」「環境への影響」など、背景まで気にされる方が多かったです。
今回はそんな中でも特に印象深かった、組合員さんのこだわりベスト5を、現場の体験とともにご紹介します。
第1位:添加物は極力避けたい
最も多かったこだわりが、**「余計なものを入れないでほしい」**という声。
よく聞いたフレーズ:
- 「子どもに食べさせるから、できるだけ無添加がいい」
- 「カタカナだらけの成分表を見ると不安になる」
- 「発色剤や合成保存料、なるべく入っていない商品を教えて」
元職員としての感想:
新人の頃は、パッケージ裏の成分表示を一緒に見ながら説明したこともありました。
生協が“できるだけ無添加”を貫いている理由が、現場で働いて初めて肌でわかりました。
第2位:農薬や化学肥料の使い方が気になる
野菜・果物・米に対しては、栽培方法への関心が非常に高いです。
よく聞いたフレーズ:
- 「この野菜、農薬どれくらい使ってるの?」
- 「有機栽培と減農薬って何が違うの?」
- 「生産者の名前が書いてあるのが安心やね」
元職員としての感想:
「農薬は危ない」ではなく、「環境に配慮しているか」「土作りから丁寧か」という視点。
単に“減農薬”だけでなく、“誰がどう作っているか”に共感して選ばれているのが印象的でした。
第3位:食の安全=トレーサビリティの明確さ
「どこで誰が作ったかがわかる」が、信頼のカギになっていました。
よく聞いたフレーズ:
- 「〇〇牧場って、よく知ってる」
- 「この卵、養鶏場を見に行ったことある」
- 「ラベルに“○○県産”って書いてないと買わない」
元職員としての感想:
「生産者との距離が近い」=生協らしさの象徴。
カタログに載っている**“生産者の顔”**を覚えてる方も多く、まさに“顔の見える買い物”でした。
第4位:環境への影響を意識して買う
環境問題への意識が高い組合員さんも多く、商品の中身だけでなく、外側にも目を向けているのが特徴です。
よく聞いたフレーズ:
- 「過剰包装やめてほしいな」
- 「詰め替え用があるのがうれしい」
- 「プラゴミ減らせる商品ってある?」
元職員としての感想:
「便利よりも地球にやさしい方を選ぶ」という姿勢に学ばされました。
職員として商品を紹介する際も、“エコ視点”を添えると反応が良かったです。
第5位:家族の健康を最優先に考えて選ぶ
全てのこだわりの根底にあるのが、「家族のために安心できるものを買いたい」という想いです。
よく聞いたフレーズ:
- 「子どもがアレルギー持ちで、食品選びに慎重になる」
- 「年老いた親に安心して食べさせたい」
- 「毎日使う調味料こそ、安全なものを」
元職員としての感想:
「命を預かっている仕事なんだ」と実感したのがこのテーマ。
価格より“信頼できるかどうか”で選ばれているという現実を、何度も目にしました。
まとめ:こだわり=信頼の証
組合員さんの質問やこだわりは、時に厳しくもありますが、そこには**「生協の商品を本気で信じたい」という気持ち**が込められています。
職員として対応する立場だった私は、むしろこうしたやり取りの中で
「自分自身の食生活も見直そう」と思えるようになりました。
Q&A:現場対応で感じたこと
Q. こだわりの多い組合員さんは正直大変?
A. そう感じる瞬間もありますが、同時に「信頼されている証拠」でもあります。
Q. すべての要望に応えられないときは?
A. 「こういう理由で難しいけど、代替案ならあります」と誠実に対応すれば大丈夫です。