バス停で「通過します」と言ったら…急にボタンが!
ある日の運行中、あるバス停でお客さんの乗り降りがなかったので、マイクで「次、通過しまーす」と案内しました。
するとその瞬間、「ピンポーン」と降車ボタンが。
思わず少し強めにブレーキを踏んで停車しました。
「ここですか?」と尋ねると、お客さんは「違います」と一言。
…え?違うんかい!
バス運転士をやってると、こんな“あるある”場面によく遭遇します。
急に降車ボタンが押されると、運転士も焦るんですよ。特に時間がギリギリのときなんかはね。
バス停の時刻表の「ズレ」の正体
バスって、時刻表より数分遅れて来ることが多いですよね?
実はあれ、わざとそういう時間設定になってるんです。
理由はカンタン。
お客さんがいない時に、バスが早く走りすぎないようにするためです。
逆に、予定よりも早く着きすぎてしまうと「早発」という違反になるんですね。
そのため、バスは基本的に「お客さんの乗り降りがなければ、時間を調整しながら走行する」ようになっています。
「通過できるチャンス」は実は貴重
例えば、途中のバス停に乗り降りするお客さんが誰もいない。
そんなときは運転士としては“通過できるチャンス”なんです。
バスは交通渋滞や信号など、いろんな要因でどんどん遅れていく可能性があります。
だからこそ、こういうチャンスに少しでも遅れを取り戻したいんです。
それなのに、通過の案内をしたあとに押される降車ボタン。
運転士からしたら「マジか…」ってなります(笑)
お客様にも知ってほしい「降車ボタン」のタイミング
バスの降車ボタン、いつ押したらいいのか迷う方も多いと思います。
でも、運転士としてはこうお願いしたいんです。
「通過の案内が終わって、次のバス停名が表示されてから押してください」
なぜかというと、通過する予定だったバス停で急ブレーキをかけると、安全上のリスクもあるし、周囲の交通にも影響します。
お客さんが焦ってボタンを押した結果、他のお客さんもヒヤッとするようなブレーキになってしまうこともあります。
もちろん、どのバス停で降りたいのか分かりづらいのは理解しています。
だからこそ、少しだけ意識してタイミングを見てもらえると、運転士としては本当にありがたいです。
まとめ:バスは“通過”も大事な運行の一部
バス運転士にとって、バス停の通過は単なる「スルー」ではありません。
運行を安全かつ定時に進めるための、大切な調整ポイントなんです。
もちろん、お客様を置き去りにするわけではありません。
でも、少しだけ協力してもらえたら、全体としてスムーズな運行につながるんです。
焦らず、降車ボタンのタイミングを見極めて押していただけたら、運転士も助かります。
そして、ちょっとした「あるある」も、こうして笑い話にできるくらいがちょうどいいですよね。
今日もバスは、乗せて、降ろして、通過して。
安全第一で運行中です!