バス運転手の中休勤務とは?
バス運転手の勤務形態は一般の会社員とは少し違います。その中でも「中休」という働き方は、初めて聞く方も多いかもしれません。
「昼間に一度帰宅できるって楽なんじゃないの?」
「それって休み時間が多いってこと?」
実は、そう単純な話ではありません。この記事では、現役バス運転手の私が「中休勤務」のリアルな実態を詳しくご紹介します。
■国土交通省:運転士の勤務形態に関する情報
👉 https://www.mlit.go.jp
※「出典:国土交通省」
【結論】中休勤務は“休み”じゃない!意外とハードな理由とは?
結論から言うと、「中休勤務=のんびりできる」というイメージは誤解です。実際は、朝から夜までの長時間拘束で、体力的にも精神的にもタフな勤務です。中休み時間は拘束時間に含まれません。
中休の特徴をざっくり言うと…
- 出勤時間が早い(例:6:00〜)
- 昼前後にいったん帰庫して“休憩”
- 夕方ラッシュに合わせて再出勤(〜20:00など)
- 1日あたりの拘束時間は長いが、労働時間は分割されている
この「長い拘束時間」と「分断された勤務時間」が、中休勤務の大きなポイントです。
中休勤務の基本スケジュール例
実際に私が体験したスケジュールの一例をご紹介します。
時間帯 | 内容 |
---|---|
6:00 | 出勤・点検・始業点呼 |
6:30〜9:30 | 朝の通勤ラッシュ運行 |
9:30〜15:30 | 中休(自宅または仮眠所で休憩) |
15:30〜20:00 | 夕方ラッシュの運行 |
20:30 | 終業点呼・退勤 |
※ 勤務時間や内容は会社によって異なります。
中休勤務のメリット・デメリットを徹底解説
メリット
✅ 昼間に一時帰宅できる
仮眠を取ったり、家事をしたり、自分の時間を有効活用できるのが中休勤務の最大のメリットです。
✅ 通勤ラッシュを避けられる
出勤時間が早朝、退勤も比較的夜遅めなので、出勤・退社時、渋滞に巻き込まれることはありません(運転はしてますが…)。
✅ 終日勤務より体力的にラクな面も
連続運転時間が比較的短く、一度リセットできる時間があるのは助かります。
デメリット
⚠ 拘束時間が長い
休憩時間を含めると、1日の拘束が13時間を超えることも珍しくありません。中休み時間は拘束時間に含まれません。自由時間は多いようで、実は制限されているのが実情です。
⚠ 生活リズムが安定しづらい
朝と夜に働くスタイルのため、食事や睡眠のタイミングがズレやすく、慣れるまでは少ししんどいです。
⚠ 中休の時間が“自宅で休める”とは限らない
家が遠い人は、会社の仮眠室、休憩室などで過ごす方もあります。人によってはリフレッシュが難しい人も。
なぜ中休勤務が必要なのか?
中休制度があるのは、「通勤ラッシュに合わせて効率的にバスを運行する」ためです。
通勤・通学のピーク時だけ増便し、それ以外の時間帯は間引くことで、乗客数と運行コストのバランスを取っているのです。
その結果、「朝と夕方だけ忙しく働き、日中は休憩する」という勤務形態が自然と生まれたわけです。
中休勤務をこなすためのコツ
1. 仮眠時間を確保する
自宅に戻れる場合でも、スマホをいじっていたらあっという間に出勤時間です。30分でも目を閉じる時間を取ることが重要です。
2. 食事のタイミングを調整する
中休中に重たい食事をすると、夕方の勤務に支障をきたすことがあります。消化の良いものを軽く食べるのがおすすめ。
3. 天気予報は必ずチェック
午前と午後で天気が激変することも。雨具の用意や雨天時運転の心構えも必須です。
■休憩室の様子

中休勤務は向き・不向きがある?
人によって「中休はラク」「いや、逆にしんどい」と評価が分かれる勤務形態です。
向いている人
- 仮眠が得意な人
- 朝型生活ができる人
- 空き時間を有効に使いたい人
向いていない人
- 拘束時間が長いのが苦手な人
- 一度帰宅すると気持ちが切れてしまう人
- 生活リズムを一定に保ちたい人
まとめ:バス運転手の中休勤務は“自由”と“不自由”が同居する独特な働き方
中休勤務は、単なる「休み時間が多い勤務」ではありません。体力・生活習慣・時間の使い方に柔軟さが求められる、バス運転手ならではの働き方です。
一見ラクそうに見えるかもしれませんが、その裏には「長時間拘束」「生活の不規則さ」といった現実があります。
転職や就職を考えている方は、勤務スタイルまでしっかり調べておくことが大切です。
Q&A
Q. 中休の時間に買い物や外出してもいいの?
A. 基本的には自由ですが、次の出庫時間に間に合うよう、行動範囲は限られます。
Q. 自宅が遠い場合はどうするの?
A. 車庫で仮眠する、休憩室を使う、外で過ごすなど、環境に応じて工夫が必要です。
Q. 労働時間としてカウントされるの?
A. 一般的に中休中は「休憩時間」として扱われ、給与は発生しません。ただし、手当のある会社もあります。