こんにちは。営業職から40代で転職した路線バス運転士の「だいき」です。
今回は、バス運転士の中でも意外と知られていない「遅番(午後)勤務」の一日を詳しくご紹介します。
「遅番って何時から?」「終バスって大変?」「夜のバスは怖くないの?」といった疑問をお持ちの方にも分かりやすく解説します。
遅番勤務とは?午後出勤で22:00~21:00まで走る勤務形態
バス運転士の勤務は、「早番」「遅番」「中休」「日勤」の大きく4種類に分かれます。その中でも遅番(午後)勤務は、午後に出勤して深夜時間帯(22:00~21:00)まで担当するシフトです。

私の会社ではないのですが、会社や路線によっては、0時を超える深夜帯に及ぶこともあるようです。
【例】遅番勤務の一日スケジュール(終バス)
午前:ゆっくり目の朝(自由時間)
遅番のメリットのひとつが「朝の自由時間」。午前中は自分の好きなように時間を使えます。
例えば、
- 家事・子どもの送り迎え
- 通院や役所の手続き
- 二度寝やゆったりした朝食
- ジム通い・ウォーキングや買い物
- 散髪や洗車
営業職時代は朝から晩まで詰め込まれていた生活が、今は午前が自分の時間になっていることに大きな違いを感じます。
15:00 出勤・アルコールチェック
営業所に到着後、まずは検知器でアルコールチェックを行います。一般的な基準(呼気中アルコール濃度0.15mg/L)よりもかなり厳しく、たとえ微量でも反応すれば出勤停止の対象になる可能性があります。
15:10 車両点検・乗務するダイヤの確認
運行前に、乗務するバスに異常がないか点検します。午前使用した運転手からバスの操作具合など異常がなかったかを確認します。車両に傷がないか等、点検を行います。異常があれば、整備担当に報告し対応してもらいます。
15:20 出庫点呼
運行路線、工事箇所等、その日の業務に必要な指示を確認して出庫点呼を受けます。
15:35 運行開始
スタート地点へ回送で移動します。この間にアクセル、ブレーキ、ギアの感触を確認します。
この時間帯は、学校帰りの学生やお買い物帰りの方が多くなります。17時以降は会社帰りのお客さんで混雑し始め、道路も交通量が多く、遅延も出やすい時間帯です。
混雑したバス車内は、車内整理のアナウンス等、お客様対応の丁寧さも求められます。
終バスの時間帯(21:00~)になると車内は落ち着いてきます。道路も空いていて運転しやすい反面、街灯の少ないルートでは視界が悪くなるため、お客様の見落とし防止もとても大事です。
休憩時間
1~2往復(約2時間程度運行)して休憩(30~60分程度)を繰り返します。ルール上、連続運転時間は最大4時間までと定められています。4時間を超える前に、30分以上(分割可)の休憩を取らなければなりません。
休憩時間は、食事をしたり、休憩室で同僚と談笑したり、仮眠室で仮眠をとたりして、リラックスした時間が過ごせます。
深夜までの乗務が控えていますので、休憩時間をどう使うかは、とても大事です。

私の場合は、必ず仮眠を取ります。どうしても早く就寝する習慣があるため、深夜時間帯は眠くなりますから。
23:00 帰庫点呼
営業所に戻ったら、乗務後の点検を行います。忘れ物や車両の異常がないかを確認し、その日の運行状況を報告し、帰庫点呼を受けます。
これでその日の業務は終了です!お疲れさまでした!
遅番勤務のメリットとデメリット
メリット
- 朝に余裕がある(いろんな用事が可能)
- 前日にお酒が飲める
- 朝ラッシュに巻き込まれない
- 夜ラッシュ以降は道路が空いていて運転しやすい
デメリット
- 帰宅が遅くなる
- 家族との時間が合いにくい
- 夜の運転は特に注意力が必要(視界・眠気)
- 夕飯が不規則になりやすい
遅番勤務は一人の時間が取りやすい
遅番勤務は「終バスまで働くのはキツそう」と思われがちですが、生活スタイルに合えば非常に快適な働き方です。
こんな方に向いています。
- お酒を飲む人
- 午前中に家事や用事を済ませたい人
- 混雑を避けて落ち着いた環境で働きたい人

遅番勤務は、いろんな用事を済ませることができるので、本当に助かっています。私にとっては、この仕事の良いところの一つですね。
遅番勤務は、静かな時間帯にじっくり乗務できる一方、夜ならではの気配りと集中力が必要です。些細な変化にも気づけるような冷静さが求められます。
バス運転士の勤務スタイル三部作
バス運転士の「早番・遅番・中休」それぞれの勤務スタイルを3回に分けて紹介してきました。
📘 バス運転士の勤務スタイルを三部作で解説中!
- 【早番】早朝4時起きから始まるリアルな一日
- 【中休】自由時間も多い中休ダイヤ
- 【遅番】午後勤務から終バスまでのリアルな一日