路線バスをご利用の皆さん、バスに忘れ物をしたことはありませんか?
今回は、現役バス運転士の視点から、忘れ物がどのように扱われているのか、実際にどんなものが忘れられているのか、日々の乗務で感じたリアルなエピソードをお伝えします。
終点での忘れ物チェックは日課です
バスが終点に到着すると、必ず行うのが車内の忘れ物チェックです。
座席の上や床の上を一通り確認しますが、たまに「寝過ごしたお客さん」がいることも…。そんなときは優しく声をかけて、降りてもらいます。
忘れ物で多いのは「傘」。会社には大量に保管されてます
圧倒的に多いのが傘です。雨の日は特に多く、車内にポンと置き忘れられています。
営業所の一角には、忘れ物の傘がずらりと並んでいて「これほんまに全部預かりもんかいな」と驚くほど。ある程度たまると、警察に届け出るようになっています。
驚く忘れ物ランキング:携帯・財布・お弁当まで!
第1位:スマートフォン
スマホの忘れ物は、私1人で年に2〜3回は拾います。着信音が鳴ったり、画面が光って気づくことも。
私たち運転士は、忘れ物を営業所まで持ち帰って、会社で保管してもらいます。忘れた方から営業所に問い合わせがあれば、身分証明してもらい、ご本人に返却されます。
過去には外国人観光客がスマートフォンを忘れて、言葉がなかなか通じず困ったことも。
第2位:財布
財布は、私1人で2年で1回くらいの頻度。金額の大小にかかわらず、財布を忘れるというのはやはり衝撃的です。
「こんな大事なもん、なんで置いていくんやろ…」と、毎回思わずにはいられません。

過去にめちゃくちゃ感謝されて、おばあちゃんから栄養ドリンクを1ケースもらったことがあります。
第3位:食べ物
パンやお弁当、買ったばかりの惣菜などの食品系の忘れ物も意外と多いです。
ただし、こちらは腐敗のリスクもあるため、連絡がなければ廃棄されることがほとんどです。受け取りに来る方も少ないですね。もったいないお化けが出そうです。
忘れ物をした時の対処法
「バスに忘れ物をしてしまった…!」というときは、以下の方法で確認しましょう。
1. すぐに営業所に電話する
バスの路線や時間帯がわかれば、営業所が対応してくれます。できるだけ早く連絡するのが大事です。
2. バス会社のホームページをチェック
多くのバス会社では忘れ物専用の問い合わせフォームがあります。時間帯によっては、翌営業日になることもあるので、電話の方が確実です。
忘れ物を減らすために意識したいこと
最後に、お客さまにお願いしたいことがあります。
- バスを降りる前に、もう一度席の周りを確認
- 雨の日の傘は「手に持ったまま降車」を意識
- スマホや財布はポケットやバッグにしまってから乗車
忘れ物がないと、バス運転士としても安心して次の便へ向かえます。
まとめ:忘れ物は誰にでもあるけれど、気づいたらすぐ連絡を!
忘れ物は、どんな人にも起こりうること。でも、大事なものほど**「うっかり」では済まされない**こともあります。
バス会社としても、できるだけ持ち主のもとへ返したいと思っています。もし心当たりがあれば、すぐにバス会社へ連絡を!