乗務中に一番よくある誤解。それは「お釣りが出る」と思っているお客さんの存在です。この記事では、現役バス運転士の視点から、実際のエピソードとともに“バス運賃のお釣り事情”についてお話しします。
お釣りは出ません!と書いていても…
私が勤務しているバス会社では、運賃箱に釣銭機能はついていません。つまり、運賃はちょうどの金額を用意していただく必要があります。
ただ、いまだによくあるのが「500円玉を入れてお釣りを待つお客さん」。市営バスなどのように、定額制で自動釣銭機がついているバスに慣れている方に多く見られると思います。
運賃箱の近くには「お釣りは出ません」「両替してからお入れください」といった注意書きも掲示しているのですが、それでも目に入っていないことが多いのが現実です。
「え?書いてないやん!」と言われても…
ある日、500円玉を運賃箱に入れたお客様に「お釣りは出ませんよ」とお伝えすると、突然怒り出されてしまいました。
「ちゃんと書いとけや!分かりにくいやん!」
もちろん、実際にははっきりと注意書きはしてあります。でも、気づいてもらえないのもまた事実。バスの利用が久しぶりだったり、急いでいたりすると、細かい案内までは見られないのでしょう。
私としては、もちろん返金対応をします。しかし、これもバス運行の遅延原因になります。
バス会社ごとに違うルール。わかりにくいのは事実
実際、バス業界では「お釣りが出るバス」「出ないバス」が混在しています。
これはお客様にとって非常にわかりにくい点ですし、運転士としても「できれば統一してほしい」と思ってしまいます。
ただ、運賃制度や設備投資の都合などから、そう簡単にはいかないのが現状。地域や会社ごとのルールに従わざるを得ません。
そのためにも、車内アナウンスや注意書きをもっとわかりやすくしたり、案内方法を工夫したりと、運転士としてできる範囲で取り組んでいます。
他のお客様の動きにも目を向けてほしい
もうひとつお願いしたいのは、周囲のお客さんの動きにも少しだけ注意を払ってほしいということ。
前の人が両替をしていたり、100円玉を何枚も用意していたら、「あ、ここは両替が必要なんやな」と気づいていただけるかもしれません。
バスは多くの人が一緒に使う公共の乗り物。できれば、お互い少しだけ気を配り合える空間であってほしいな、と思っています。
まとめ:釣銭トラブルを減らすためにできること
- 路線バスによってはお釣りが出ないことがある
- 事前に両替しておくのが基本ルール
- 注意書きや他の乗客の動きにも注目してみよう
- トラブルになった際は、運転士に丁寧に声をかけて
よくある質問(Q&A)
Q. 500円玉を入れてしまった場合、お釣りは返ってきますか?
→基本的には確認後に返金対応いたします。
Q. 両替機はどこにありますか?
→車内の運賃箱に両替機能がついています。ただし、高額紙幣(2,000円、5,000、10,000円)は対応していないことが多いので、小銭のご準備をおすすめします。