なぜ他のバスに乗るのか?
私は現役の路線バス運転士ですが、休みの日や旅行先では、意識して他の運転士が運転するバスに乗るようにしています。
それは自社のバスであっても、他社のバスであっても、学べることが本当に多いからです。
自社のバスでも「気づき」がある
自社の運転士のバスに乗ると、同じ車両でもアクセルやブレーキの踏み方、ミッションの繋ぎ方、バス停の寄せ方など、それぞれに個性があり非常に参考になります。
また、マイクアナウンスのタイミングや言い回しなども運転士によって異なり、「あ、この表現いいな」と思うこともしばしばです。
同じ会社の仲間だからこそ、「こういうやり方もあるんだな」と初心にかえる機会にもなります。
他社のバスに乗ることで広がる視野
他社のバスに乗ると、運賃の支払い方法ひとつとっても違いがあります。
前乗り前払い、後乗り後払い、ICカードのリーダーの違いや案内表示の工夫など、運行会社ごとに特徴があり、まさに“現場の知恵”を感じる瞬間です。
車内のレイアウトや車両仕様も、自社とは少しずつ違っており、「こういう配置だと乗客が乗りやすいな」「これは自社にも取り入れたい」といった気づきがあります。
他人の運転は新鮮で学びが多い
人の運転を見るというのは、やはり新鮮です。
良い点はもちろん参考にしますが、時には「これは自分ならしないな…」と思うこともあり、それもまた学びになります。
いわば反面教師ですね(笑)
運転中の姿勢、ミラーの使い方、バス停への寄せ方、交差点での判断など、同じ運転士として見ているポイントが多いので、自然と細かいところまで目が行きます。
ミラー越しの“目が合う”瞬間も…
時々、ジーッと観察している自分に気づいて(笑)、運転士さんとミラー越しに目が合うこともあります。
こちらとしては学びのつもりですが、相手からしたら「このお客さん、なんか見てくるな…」と思っているかもしれません(笑)
まとめ:学びは現場にある
現場でしか得られない気づきがあります。
だからこそ、私は他のバスに乗ることを「自分の成長のチャンス」として大切にしています。
もしあなたがこれからバス運転士を目指すなら、ぜひいろんな会社のバスに乗って「違い」を観察してみてください。
運転のスタイルだけでなく、その地域ごとの雰囲気や、運転士の声のトーンまで含めて、気づきがたくさんありますよ。