こんにちは、現役路線バス運転士のだいきです。
今回は、ネットでよく見かける「横断歩道で止まらない車」について、体験談と違反事例を交えて、お届けします。
横断歩道の基本ルール、知ってますか?
道路交通法では、信号機のない横断歩道を渡ろうとしている歩行者がいる場合、車両は一時停止しなければならないと定められています。
この違反は「横断歩行者等妨害」に該当し、
- 違反点数:2点
- 反則金(普通車):9,000円
となります。
しかし、実際の現場では、このルールがしっかり守られているかというと…残念ながらそうでもありません。
止まらない車の現実
ネット上でも「信号機のない横断歩道、車の約半数が止まらない」といった記事や、「車が止まらない県ランキング」などが話題になることがあります。
でも正直に言うと、私も日々乗務している中で、調査員らしき人を見たことがありません。
どこでどうやって調べてるんやろ?と疑問に思うこともしばしばです。
実際に切符を切られた先輩たち
私の職場でも、実際に警察に切符を切られた先輩が何人かいます。
- 回送中、横断歩道に歩行者がいるのに止まらなかった
- 左折時、横断歩道の手前に歩行者がいたのにそのまま曲がってしまった
- 右折時、自転車が横断歩道を渡ろうとしていたのに気づかず進行してしまった
乗務中でも回送中でも関係なく、違反は違反です。
点数も反則金も重くのしかかりますし、会社にも報告義務があります。
精神的にもダメージが大きいです。
横断歩道手前の◇マーク、気づいてましたか?
私が営業職からバス運転士に転職した当初、横断歩道の手前に「◇(ひし形)」のマークがあることすら知りませんでした。
これは「横断歩道あり」の予告マークであり、ここを見て事前に減速・注意を促す意味があります。
日々の運転で慣れてしまうと、こうした標識や路面表示を見落としがちになりますが、初心にかえって確認することが大切ですね。
気を抜かずに運転する大切さ
正直に言うと、バスの運転は集中力が切れる瞬間との戦いです。
朝のラッシュ、時間との勝負、乗客対応…。
そんな中でも**「歩行者優先」は絶対に守らなければならないルール**です。
私自身、先輩たちの失敗を反面教師にして、交差点や横断歩道に近づくたびに意識的に減速・確認をするようにしています。
運転士として、伝えたいこと
一般ドライバーの方にも声を大にして伝えたいです。
「信号がないから大丈夫やろ」
「歩行者、ちょっと立ち止まってたし」
そんな油断が、大きな事故や違反につながります。
私たちプロドライバーでさえ、判断を誤れば即アウトです。
横断歩道では必ず減速し、歩行者がいたら止まりましょう。
これは「思いやり」でもあり、「命を守る運転」の基本です。
まとめ:ルールを守ることが、安全な街づくりにつながる
横断歩道で止まることは、交通ルールの遵守であると同時に、地域の安全を守る行動でもあります。
特に子どもや高齢者にとっては、車が止まってくれるだけで安心感が全く違います。
私たち運転士も、プロとして日々学び続け、気を引き締めてハンドルを握らねばと感じています。