はじめに:気にしすぎるバス運転士、私です
バス運転士として日々ハンドルを握っていると、定時運行と安全運転の両立という永遠のテーマに向き合うことになります。
「少し遅れてる…でも安全第一」
「でもお客さんを待たせてしまう…」
こんな葛藤が、一日のうちに何度も訪れます。
私もこのジレンマに何度も悩まされてきました。ある日ふと思いました。「こんな時、どんなマインドを持てばラクに乗務できるんだろう?」と。
先輩運転士からの金言:「バスなんて遅れてなんぼや、安全が一番」
悩みを相談した先輩から、こんな一言をいただきました。
「時間は気にするな。バスなんて遅れてなんぼや。安全運転第一や。」
この言葉、実に奥が深い。
もちろん、時間を全く気にしないわけにはいきません。バスは公共交通機関。利用者の方々のスケジュールに関わっているからこそ、「遅れて当然」では済まされないこともあります。
でも、だからといって焦って運転すれば、安全が犠牲になる可能性がある。この「心のブレーキ」が大切なんだと、先輩は教えてくれました。
小林正観先生の言葉「気にしないから気にならない」という考え方
そんな時、ふと目にしたのが小林正観先生の著書に書かれていた言葉。
「気にしないから気にならない」
「自分の思い通りにしたい」という気持ちを手放すことで、目の前のことに一喜一憂しなくなる。
これができたら、どんなに気持ちが楽になるだろう…と思いました。
正直、まだ私には難しいです。ですが、
- 他人をコントロールしようとしない
- 自分にできることだけに集中する
この2つを意識するだけでも、心が少し軽くなるような気がしています。
走行中のお客様の行動にイライラしないために
運転中によくある「イラッ」とするシーン、ありませんか?
- 走行中に席を立って移動するお客様
- つり革も持たずにスマホを見ている方
- 停車前に降車ドアに向かってくる人
…正直、心の中では「お願いやから座ってて」「スマホよりつり革持って」と思ってしまいます。
でも、これも「自分の思い通りにしよう」としている証拠なのかもしれません。
私にできるのは、マイクで注意喚起することだけ。それ以上はコントロールできません。
そう割り切ることで、無駄に神経をすり減らさずに済むようになってきました。
「気にしない力」は、プロドライバーにとっての心の安全装置
「気にしない」というのは、決して投げやりになることではありません。
むしろ、自分の仕事に集中するための大事なスキルです。
- イレギュラーが起きても冷静に対処できる
- 他人の言動に引きずられず、自分のペースを守れる
- 結果的に、安全運転がしやすくなる
こうした効果を実感し始めてから、毎日の乗務が少しずつ楽になりました。
まとめ:目指すは「気にしないから気にならない」運転士
バス運転士の仕事は、時間と安全のバランス、そしてお客様対応の連続です。
だからこそ、「気にしない力」を身につけることが、長く続けるコツなのかもしれません。
小林正観先生の言葉を完全に実践できる日はまだまだ遠いですが、
「今できることだけに集中する」このマインドだけは、明日の乗務からも意識していきたいと思います。
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Q&A:よくある質問
Q. 時間と安全、どちらを優先すべき?
A. 常に「安全第一」です。多少の遅延はクレームになっても、事故は命に関わります。
Q. 乗客に危ない行動をされたら、どう注意してる?
A. 丁寧にマイク放送で声かけするだけ。あとは割り切りも大切です。