生協の職員時代、毎日のように組合員さんからさまざまな商品について質問を受けました。
その多くは、スーパーなどではあまり聞かれないような「こだわり」と「背景」に関わるもの。
今回は、実際に現場でよく聞かれた質問をランキング形式でご紹介しながら、元職員としての回答例も合わせてまとめます。
第1位:この商品、合成添加物は使ってるの?
生協ならではの質問No.1がこれ。
答え方のポイント:
「生協では、できるだけ合成添加物を使わない方針で商品開発しています。商品によってはやむを得ず使っているものもありますが、最低限です。詳しくはカタログや仕様書に記載されています。」
第2位:トランス脂肪酸は入ってる?
マーガリンや加工菓子でよく聞かれる質問です。
答え方のポイント:
「生協ではトランス脂肪酸を含む油脂の使用を減らす取り組みをしています。完全にゼロではない場合もありますが、基準値を大きく下回るように設計されています。」
第3位:この野菜、無農薬?
野菜・果物の質問で必ず出ます。
答え方のポイント:
「生協の野菜は“減農薬”が基本で、使用回数や種類を大幅に減らしています。どのくらい減らしているかは商品ごとに異なりますが、生産者の名前や使用農薬が公開されていることも多いです。」
第4位:この肉、抗生物質やホルモン剤は?
畜産品への信頼度を左右する質問です。
答え方のポイント:
「生協の畜産品は、できる限り薬剤の使用を抑えた飼育方法を取っています。成長ホルモン剤は原則不使用で、抗生物質も必要最小限にとどめています。」
第5位:遺伝子組み換え原料は使ってる?
加工品全般でよく聞かれる、意識高い系の質問です。
答え方のポイント:
「生協では“遺伝子組み換え不使用”を基本としています。大豆やとうもろこしなど、表示義務があるものはもちろん、間接的に使われる飼料についても配慮しています。」
第6位:アレルゲン表示はどうなってる?
アレルギーを持つお子さんのいる家庭からよく聞かれました。
答え方のポイント:
「主要アレルゲン28品目の表示を徹底しています。生産ラインの共有状況やコンタミ(混入)の可能性も含め、細かく表記されています。」
第7位:蛍光増白剤って入ってる?
洗剤やティッシュ、布製品で特に多い質問です。
答え方のポイント:
「生協の生活用品は、蛍光増白剤や合成香料を使っていない商品が中心です。環境負荷と肌への影響に配慮した設計になっています。」
第8位:この魚、どこで獲れたの?
鮮魚・冷凍魚での定番質問。
答え方のポイント:
「生協では“産地明記”を徹底しており、多くの魚で『○○県沖』『○○漁港』などの表示があります。また、養殖の場合も、育て方やエサに配慮した商品が多いです。」
第9位:このハム、発色剤使ってる?
加工肉の信頼性に関わる質問です。
答え方のポイント:
「生協には『無塩せきハム』といって、発色剤を使わない商品があります。そのため、色が薄めでナチュラルな風味なのが特徴です。」
第10位:この食品、放射能検査してる?
震災後しばらくは特に多かった質問です。
答え方のポイント:
「生協では、独自の基準で放射性物質の検査を継続しています。基準値は国の規定よりも厳しく設定されており、検出限界以下の商品だけを扱っています。」
まとめ:知識は「信頼」をつくる
組合員さんからの商品質問は、ときに専門的すぎて驚くほど。
でも、それだけ**「自分の食べるものに責任を持ちたい」という思い**の表れでもあります。
生協職員として、最初はうまく答えられなかった自分も、こうしたやり取りを通じて少しずつ知識を深めていきました。
Q&A:現場での対応に関して
Q. 全部の質問に即答できないとダメ?
A. いいえ。「一度持ち帰って確認します」と誠実に対応することが信頼につながります。
Q. 質問が多すぎて不安になります…
A. 最初は誰でも同じです。繰り返し経験するうちに、自然と答えられるようになります。