こんにちは、現役路線バス運転士のだいきです。
今回は、路線バス運転士なら誰しも一度は経験している(いや、むしろ毎日のようにある?)「バス停を走り抜ける人たち」について書いてみたいと思います。
運転士目線で見るとちょっとした“あるある”なんですが、一般のお客さまにはなかなか伝わらないこの現象。ぜひ笑いながら読んでいただけたら嬉しいです。
バス停に向かって走ってくる人が…
ある日の乗務中、バス停で停車し、いつものように乗降扱いをしていると、少し離れた場所から誰かが全力で走ってきます。
「おっ、あの人バスに乗る気やな」
「乗せてあげよう、ちょっと待とうか」
そんなふうに判断して、車内の安全確認をしつつ、出発を見合わせます。ですが…。
走ってきたその人、なんと、バスの前を通り過ぎて行ってしまうんです!
「あれっ…?乗らへんの!?」
目線・動き・スピード…全部“乗る人”に見えるのに
この現象、ほんまにようあるんです。
走ってくる人の視線は明らかにバス。
表情も真剣そのもの。
しかも、全力疾走。
どう見ても「今にもバスに乗る!」としか思えない動きです。
けれど、まさかの“スルー”。
こういう時、正直言ってちょっと拍子抜けしますし、「運行時間、守らなアカンのにな…」と焦る気持ちもあります。
「次こそ騙されへん!」と思っても…
この経験を何度もすると、次は慎重になります。
「目線は…バスか?」
「走る方向は…まっすぐこっちやな」
「この表情は…来るやろ!」
「ん?スマホ見てる!? でもやっぱり走ってるし…」
とまあ、もはや心理戦のような判断になります(笑)。
それでもやっぱり、走って来てスルーされる。
うまいこと騙されるんです。
ほんま、走ってる人、ちょっとした俳優ちゃうかと思うくらい。
運転士のホンネ:手を上げてくれたら助かります!
もちろん、走っている人全員が紛らわしいわけではありません。
「乗りますよ〜」と手を挙げてくれたり、明らかにバス停に向かっている様子が分かると、とてもありがたいです。
実際、バス停で停車している時間は限られており、ダイヤを守るためにも長時間の停車はできません。
そのため、明確な意思表示があると運転士としてはとても助かります。
終わりに:小さな“ひと手間”が円滑な運行に
というわけで今回は、「バス停を走り抜ける人たち」という、ちょっとした日常の一コマを紹介しました。
バスに乗るつもりがあるなら、どうか“手を上げる”などのサインを出していただけたら嬉しいです。
それだけで、運転士はすぐに判断できるし、無駄な時間のロスも防げます。
そして、他のお客さまへの影響も最小限にできます。
乗務の中にはこうした小さなエピソードが日々積み重なっています。
そんな日常を、これからも「乗務日記」として発信していきますね。
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Q&A:よくある質問
Q. 走ってくる人は乗る前提で待ってあげないとダメ?
A. 基本的には「バス停で待っている人」が対象です。ただし、明確に乗車の意思を示してくれれば、運転士の判断で待つ場合もあります。
Q. 待ってくれなかったバスに不満があるのですが…
A. 時刻表を守るため、バス停の時刻を過ぎていれば、やむを得ず出発することもあります。ご理解いただければ幸いです。