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【現役バス運転士が解説】バスが遅れる本当の理由と利用者へのお願い

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こんにちは。営業職から転職して路線バス運転士として働いているだいきです。今回は、日々の運行の中で感じる「バスの遅れ」について、現場目線でお話ししたいと思います。

「なんでバスっていつも遅れるの?」

通勤・通学、買い物、観光など、日常の移動手段として利用される路線バス。便利な反面、「また遅れてる…」「バスって時間通りに来ないよね」と感じたことがある方も多いのではないでしょうか?

実は、バスが遅れるのには"バスならでは”の事情があるのです。今回はその裏側を、実際にハンドルを握る運転士の立場から、分かりやすくお伝えします。


バスは少し遅れるように時間設定している乗り物です

意外に思われるかもしれませんが、バスには「早発(そうはつ)禁止」というルールがあります。つまり、予定時間より早くバス停を出発することが禁止されているのです。

このため、時刻表は「お客様がいない状況」で走った場合(最短の所要時間)を考慮して運行時間が組まれています。

だいき
だいき

時間が余ってバス停で待機してしまうと、この「時間調整の停車」により、後続のバスや乗用車の妨げになり、交通渋滞を発生させかねませんからね。


バスが遅れる具体的な理由

バスが遅れる原因は1つではありません。以下に、路線バス運転士の私が日々経験している「よくある遅延理由」をご紹介します。

①高齢のお客様のご乗車

特に昼間は高齢の方のご利用が多く、着席するまでに時間がかかります。安全のため、完全に座られるのを確認してから発車するため、どうしても遅れやすくなります。

②立って乗車される方の安全確認

混雑時には立ち乗りの方も多くなり、「手すりや吊革をしっかりつかむのを確認」してからでないと発車できません。

だいき
だいき

携帯電話を操作して、手すりや吊革につかまらない方が意外と多いのです。

③両替やICカードチャージ

降車時に小銭の両替や、モバイルICカードのチャージをされると、1人あたり数十秒~1分程度かかります。これが複数人続くと、大幅な遅れになります。

④障がい者手帳の確認・車椅子の乗降

障がい者手帳による割引適用や車椅子利用の方の乗降には丁寧な対応と安全確認が不可欠で、これにも時間が必要です。

⑤雨天時の特殊事情

雨の日は乗用車の交通量が増えるため、全体的に渋滞しがちです。また、乗客の傘の取り扱いや濡れた床による転倒リスクへの配慮も必要で、乗降に時間がかかります。

⑥バス停に一般車両が停車

バス停に一般車が停まっていてバスが寄せられないと、お客様の乗降がスムーズにできません。

⑦駆け込み乗車

ドアを閉めた後でも駆け込み乗車が多くあります。ドアを開け、ドアを閉め、安全確認して発車するのに1~2分かかります。駆け込み乗車が重なるほど、余分な信号にひっかかり、遅れます。


バスの遅延は「積み重ね」で起きる

ここで注目したいのは、1つ1つは数十秒の遅れでも、それが積み重なると大きな遅延になるということです。

たとえば、1つの停留所で両替に30秒で余分に信号にかかる。次の停留所で駆け込み乗車で1分で余分に信号にかかる。信号待ちは約30~2分程度です。運転士がコントロールできない要素で時間はどんどん積み重なっていきます。


バス利用者の皆様へ、運転士からのお願い

バスの遅れを少なくするには、私たち運転士の努力だけでは限界があります。ご利用の皆様にも、以下の点にご協力いただけると非常に助かります。

  • ICカードのチャージや両替は降車前に(コンビニや駅でも可能です)
  • 降車ボタンはお早めに
  • 駆け込み乗車はご遠慮ください
  • 雨の日は時間に余裕を持ってご利用を
  • 扉付近に立たず、中ほどにお詰めください

これらはすべて、バスの遅延を防ぎ、安全かつスムーズな運行につながります。


まとめ:バスは「公共の乗り物」、みんなの協力が大切です

バスは、利用者みんなで作る「共有の空間」であり、「公共交通機関」です。運転士は信号のパターンを把握し、メリハリのある運転をすることで、少しでも遅れを取り戻そうと努力しています。しかし、道路状況やお客様対応などで、どうしても遅れが発生します。

「バスは遅れるもの」という前提を少しでも理解していただき、日々の利用時にはちょっとした思いやりやご協力をいただけたら、本当に嬉しいです。

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