こんにちは、現役の路線バス運転士のだいきです。
今日は、日々の乗務の中でふと考えさせられた「ツーステップバス(段差のある古いバス)」について綴ってみたいと思います。
「運転手さん、降りにくいわ」その一言にハッとする
ある日のこと。
停留所でお年寄りのお客さまが降りる際に、こう声をかけられました。
「運転手さん、降りにくいわ、なんとかならんの?」
その時の車両は、昔ながらのツーステップバス。
床が高く、段差も大きいため、足腰の弱い方にはとてもつらそうです。
私自身、運転しながら「申し訳ないな」と心が痛くなりました。
まだまだ残るツーステップバスの現実
現在では、ノンステップやワンステップといった“バリアフリー”対応のバスも増えていますが、すべてが置き換わっているわけではありません。
地方では今もツーステ車両が現役で活躍中です。
その背景には、バス会社の厳しい経営事情があります。
特に地方路線は赤字が続き、なかなか新車を導入できないのが現実です。
バス好きには嬉しい?でも現場では…
鉄道やバスが好きな方にとって、昭和の香り漂う古いバスは“たまらない魅力”かもしれません。
「懐かしい音」「独特の揺れ」など、ファン心をくすぐるポイントは多々あります。
でも、現場で運転する立場からすると、
- 足腰の悪い方が転びそうになる
- 車椅子やベビーカーが乗りにくい
など、安全や快適さの面では大きな課題を感じるのが正直なところです。
車両更新には税金の支援が必要では?
バスは公共交通の一部であり、高齢者や学生、通勤客にとって欠かせない移動手段です。
それにもかかわらず、車両の更新や設備改善にかかる費用は、バス会社の負担が大きいのが実情。
私は日々運転していて、
「もっとバス車両に税金が使われてもええんちゃうかな?」
と感じることが多々あります。
鉄道と同じように、バスにも公的支援がもう少しあってもいいのではないでしょうか。
バス停や運行系統ももっと分かりやすく
車両の問題だけでなく、バス停の配置や案内のわかりづらさも課題の一つです。
複数のバス会社が似たような場所にバス停を設置していたり、行き先が複雑だったりして、初めての利用者にはとても分かりにくいことも。
「もっとシンプルで、利用者目線のバス停や系統にできたら…」
そんな思いで、日々運転しています。
まとめ:すべては「利用者のために」
ツーステップバスのような古い車両が残る背景には、いろんな事情があります。
ですが、バスは「人を運ぶ」ためのもの。
安全で、快適で、誰もが使いやすいものであってほしい。
日々の乗務の中で、こうした小さな声に耳を傾けながら、これからも“バスの今”を伝えていきたいと思います。